このブログでは、ブラジルをはじめとする中米や南米の投資に役立つ情報を、皆様と同じ目線でできるだけわかりやすい言葉で執筆します。
2009年06月05日
キューバが米州機構に復帰か

北米・中米・南米34カ国で構成される米州機構(OAS)の年次総会が、中米ホンジュラスで開催されました。
そこで、歴史的な決定がなされました。
OASの参加資格が停止しているキューバに対して、その停止措置を47年ぶりに解除することを決めたのです。
キューバが求めれば、OASに復帰する道が開かれました。
これによって、米国とキューバの関係正常化に向けて、大きな前進となります。
しかしキューバは、OASを「米国による中南米支配の道具」と位置づけており、「復帰には感心がない」とコメントしています。
そうは言っても、キューバは米国による経済封鎖の解除は強く求めているので、態度を軟化させる可能性はかなり大きいでしょう。
いよいよ半世紀ぶりに、キューバと米国の関係が大きく変化する時が来たようです。
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2009年04月22日
米州機構が閉幕

米州機構(OAS)が閉幕しました。
米州機構とは、南北アメリカにおける唯一の汎米国際機関で、正式加盟国はアメリカ・カナダと全中南米33カ国です。
かつてキューバも加盟していたのですが、1962年のアメリカによる対キューバ制裁決議以来、現在も排除されたままです。
今回のOASで、中南米各国がオバマ大統領率いるアメリカに対して、キューバを復活させるように迫りました。
アメリカも、オバマ大統領になってから、キューバ系米国人による個人的なキューバ渡航や、キューバ向け送金の規制を撤廃するなど、キューバに対しては経済制裁を緩和する方向で進んでいるようです。
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2009年01月23日
チェ・ゲバラの映画

「チェ 28歳の革命」を見に行ってきました。1956年〜1959年にかけて、アルゼンチン人のチェ・ゲバラが、フィデル・カストロと共にキューバ革命を成し遂げた映画です。
中南米では、チェ・ゲバラのTシャツがいまだに売れており、人気のあるキャラクターです。
キューバ革命を遂行する過程でのチェ・ゲバラの心情をよく表した映画ですが、キューバ革命の解説が少ないので、これから映画を見る人は事前に簡単な予習をしていった方がいいかもしれません。
「これぞラテンアメリカ」という場面が随所に見られますので、ラテンの雰囲気を味わうには打って付けの映画です。
映画そのものは決して悪くなかったのですが、夜9時開始のレイトショーということもあり、映画館はガラガラでした。おかげでゆったり見ることができました。
1月31日からは、続編「チェ 39歳別れの手紙」が上映されます。ボリビアでチェが亡くなるまでを描いた映画です。これも楽しみですね。
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2009年01月21日
オバマ大統領就任

アメリカ時間の2009年1月20日、オバマ大統領が就任しました。
1959年のキューバ革命以来、アメリカとキューバの両国は敵対関係にあります。1962年にアメリカが行ったキューバに対する経済政策は今でも続いており、それによって、キューバ国民の生活は困窮しています。
ところが、オバマ氏はキューバに対して対話姿勢を示しており、今、キューバでは、オバマ大統領に対して静かな期待が広がっています。
ラテンアメリカ全体に言えることですが、ブッシュ前大統領はまったく人気がありませんでした。むしろ、彼のせいでアメリカという国そのものを嫌っていたラテン人がたくさんいました。
大統領の交代を望んでいた人が多かったので、それだけでも中南米諸国は大きな期待をしていますが、それに加えて黒人のオバマ氏が大統領になるということで、中南米政策にさらなる希望を持っている人が多いと思います。
長年続いてきたアメリカとキューバの敵対関係が、オバマ氏の大統領就任によってどのように変わるのか。注目です。
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2009年01月19日
カストロ氏の容体が悪化?

キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(82歳)が、実弟のラウル・カストロ氏に権力を委譲してから約1年が経とうとしています。
ところが、ここ1ヶ月ほど、フィデル・カストロ氏の動静が途絶えており、容体への関心が高まっています。
親交の深いベネズエラのチャベス大統領も、彼がまるで重体であるかのような発言を繰り返しているのも、様々な憶測を呼んでいます。
奇しくも、キューバ革命の同士、チェ・ゲバラの映画が、現在、全国公開されています。
フィデル・カストロ氏の動静は、ラテンアメリカ諸国や共産主義国の間では大きな関心事であり、世界の勢力図に多大な影響を与えることは間違いないでしょう。
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2008年08月21日
キューバの外貨不足が深刻化

オリンピックの野球では、惜しくも韓国に負けて準優勝だったキューバ。カリブ海沿岸諸国では、ジャマイカと並んでメダル獲得の常連国です。北京オリンピックでも、金2、銀11、銅11で、金メダルこそ少なかったものの、合計24個は立派な成績だったと思います。
しかし、キューバの経済の方は、好調とは言えないようです。
すなわち、対外債務の支払いに必要な外貨が不足しているため、輸入代金を期日までに支払うのが困難になってきました。そうなると、輸出国はキューバ向け貿易保険に新規で加入できなくなるため、事実上、キューバへの輸出がストップすることになります。
これだけ資源高の世の中なのに、なぜ豊富な資源を保有するキューバが、外貨不足に陥ったのでしょう。
主な輸出産品のニッケルは、昨年まで高値をつけていたのですが、今年以降、世界で複数の鉱山が稼動を始めるため、供給過剰が見込まれるので、昨年の最高値の30%強まで価格が下落しています。
また、近年、価格が上昇しているサトウキビも、キューバでは数年前から大減産しており、その波に乗れませんでした。
さらに、主食であるコメの生産量も大幅に減っており、近年はますます輸入に頼っています。
そして忘れてはならない要因が、長年にわたるアメリカによる経済制裁です。ここにきて、ボディーブローのように効いてきたのかもしれません。
これらに代表される複数の要因より、外貨準備高が急激に不足し、輸入代金の支払いが難しくなってきたようです。
ただ、キューバは、石油経済が絶好調のベネズエラや、オリンピック景気で沸く中国ととても仲がいいので、経済支援を通じて何とかしてくれるだろう、という予測も成り立ちます。
ここ最近のキューバは、決して経済的に悪くはありません。中国やカナダなどからの投融資や、ベネズエラの医療支援のせいで、2003年以降、連続して経常黒字を確保していますし、GDPも2006年は12.5%、2007年は7.5%を記録しています。
外国に輸出する場合は、その国の経済状況だけではなく、十分な外貨を持っていて支払能力があるかどうか、をよく見極める必要があります。それと、債権を多く残さずに、なるべくこまめに資金を回収することも重要です。特にラテンアメリカに対しては、期日を過ぎるとすぐに催促するなど、こちらからマメにアクションを起こして、相手になめられないようにすることも大切なことだと思います。
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